今回は“肩関節のインピンジメント(関節内)”についてお話させて頂きます。

 

今回も教科書的な内容ですが、しっかり押さえておきたいところです。

 
 

~後上方インピンジメント~

 

肩関節外転外旋位で腱板の関節側が関節窩後上縁に衝突することにより、後上方関節唇と

腱板関節面の損傷を生じるものである。Internal impingement(関節内インピンジメント)

と呼ばれることが多い。

 
 

・最大外転外旋時には、健常者でも後上方のインピンジメントが起こるとされているので、

この現象自体は病的ではない。しかし、関節の不安定性や後方組織の短縮があると組織の

損傷を伴い有痛性の後上方インピンジメントが生じるとされている。

 
 

肩関節前方関節包の緩みがある場合、外転外旋位での上腕骨頭の前方移動が増加し、後上方

インピンジメントが生じるとされる。後方組織の短縮があると、外転外旋位で上腕骨は上方に

シフトし後上方インピンジメントが生じやすくなる。その他、後上方インピンジメントを誘発

する機能的要因としては、股関節・体幹の回旋不足、肩甲骨内旋角度の増加、上方回旋の不足

があげられる。

 
 

・身体所見として、コッキング後期に肩関節後方の痛みを訴えることに加えて、Relocation

testが陽性であり画像所見(X線、MRIにより判断される。

 
 

~前上方インピンジメント~

 

肩関節屈曲内旋時に、肩甲下筋腱や上関節上腕靭帯などが関節窩前上縁に衝突することに

よって損傷される病態。Pulley lesionあるいはhidden lesionとも呼ばれる。

 
 

・投球のフォロースルーなどで屈曲・内旋位を取った際、関節窩前上縁が肩関節前方の軟部

組織に衝突することにより生じるとされている。

 
 

・肩甲下筋腱付着部の関節側断裂、上関節上腕靭帯や烏口上腕靭帯の上腕骨側での断裂など

がみられる

 
 

・肩関節屈曲内旋位で肩前方に生じる痛みがあることに加えて、関節内への局麻で痛みが軽減

し関節造影MRIで肩甲下筋腱の関節側断裂が認められる場合、本症を疑い、確定診断は関節鏡

視によるとされる。

 
 

前回と今回で肩関節インピンジメントについてお伝えしました。患部の病態を理解するには、

これらの情報は最低限の知識だと思います。

 
 

これらの情報を踏まえた上で、機能を評価し組み合わせることで、より患部の状態がクリアに

なると思います。

 

次回は“機能評価について、お話させて頂きます。

 
 
本日も、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。