今回は“肩関節のインピンジメント(関節外)”についてお話させて頂きます。

とても教科書的な内容になりますが、局所の状態を正確に把握することは後のアプローチにも

当然繋がりますので書かせて頂きます。

 
 

肩関節のインピンジメント現象としては、①関節外で生じるものと②関節内で生じる

ものに分けられます。①は肩峰下インピンジメント烏口下インピンジメント

②は後上方インピンジメント上方インピンジメントが知られています。

簡単にまとめていきます。

 
 
 

~肩峰下インピンジメント(関節外)~

 

上肢挙上時に棘上筋腱や肩峰下滑液包が烏口肩峰アーチに繰り返し衝突することによって

痛みを生じると考えられています。原因は、supraspinatus outletと呼ばれる棘上筋腱の通路

の狭窄(肩峰前縁の骨棘など)と、それ以外のもの(大結節の変形治癒、腱板の筋力低下、

肩関節の緩みなど)に大別されています。

 
 

Neerは肩峰下インピンジメント症候群を3つの病期に分類し、特徴的な病態を示しています。

Stage1:浮腫と出血(多くは25歳未満)

Stage2:線維化と腱炎(2540歳)

Stage3:腱板断裂(40歳以上 ただし最近では腱板断裂を肩峰下インピンジメント症候群に

含めないことが多い。)

 
 

・身体所見として、Neer testHawkins-Kennedy testで疼痛が誘発されやすいとされていますが、共に感度79%、特異度53%と特異度が低い為、機能評価が重要になるといえます。

 
 
 

~烏口下インピンジメント(関節外)~

 

肩関節を屈曲・内旋位、または外転・内旋位にするとき烏口突起と小結節の間に肩甲下

筋腱が挟まれる病である。原因は、突発性(解剖学的に烏口突起と小結節の距離が小さい

場合など)、医原性(手術後)、外傷性があるとされます。

 
 

健常者では、上肢下垂位で烏口突起と上腕骨頭の距離は平均8.6mmであるが、屈曲・内旋

すると6.7mmになるとされています。

この距離の間に存在するものは上腕骨頭軟骨(23mm)、関節包(12mm)、肩甲下筋腱(24mm)、肩峰下滑液包である。外傷による骨折や、手術による骨形態の変化によって、

肩甲下筋腱の占めるスペースが狭くなり、インピンジメントを誘発するとされています。

 
 

・屈曲・内旋位で肩関節前方に痛みが生じ、局麻で痛みが消失すること、CTで烏口突起と

小結節の距離が健側よりも短いことが確認できれば、烏口下インピンジメントを疑うとされて

います。

 
 

今回は、肩峰下インピンジメントと烏口下インピンジメントについて記載しましたが、病態を

はっきりさせるには上記のような知識に加えPTOTの武器である機能評価が重要に

なります。これは、難しくありません。次回、インピンジメントの病態を説明した後に

書いていきます。

 
 
 
次回は“肩関節のインピンジメント(関節内)”についてお話させて頂きます。