今回は、“きちんと軸足で立つ条件~上肢機能~”の続きになります。

 

 

前回は、肩甲骨が自然と下制している状態が軸足に与える影響についてお伝えしました。

 

 

 

前鋸筋が働くことにより、肩甲骨の下制が促され、結果的に体幹の伸展が促通される。そのことにより、下肢の長軸方向への踏み込む感覚が生まれ安定しやすくなる。という内容でした。

 

 

 

今回の内容は、前回の内容の補足です。肩甲骨の下制による軸足の安定を、さらに高める為に必要な要素になると感じています。

 

 

 

まずは、肩関節内転可動域の確保について。

 

 

 

 

可動範囲は、肩関節を代償なく体側まで付けられる程度で良いと思いますが、意外に代償なく内転出来る選手は多くありません。大抵は、肩関節内旋や肩甲骨の前傾を伴います。それには、三角筋や三角筋下滑液包、僧帽筋、棘上筋、鎖骨や肩峰周囲の筋膜のstiffが関与していると考えられます。

 

 

 

 

肩関節の内転可動域の確保が、軸足の安定に必要だと感じたのは、しっかり内転出来ないと肩甲骨が自然と下制出来ないからです。内転制限がある肩甲骨の下制は、広背筋優位になると感じています。そのため、体幹が安定するばかりか固まります。ワインドアップ期からすぐに、重心を支持基底面から外してコッキング期に入りますので、身体を固めたくはありません。そのためには、代償なく肩関節を内転出来る必要性があると思います。さらに、軽度外旋の可動域も確保できると、肩甲骨の前傾を防げるので良いと思います。

 

 

 

 

このように、軽度外旋を含めた肩関節の内転可動域が確保されると、肩甲骨の下制が促通され、軸足の安定性が高まると感じています。

 

 

 

次に、肩関節屈曲45°肘関節屈曲90°からの外旋可動域の確保について。

 

これも、要は肩甲骨の下制を促通する要素になると感じています。

 

 

 

 

この角度は正確ではなく、選手により変わります。ワインドアップ期で上肢をお臍の前に置く選手もいれば、胸の前に持ってくる選手もいますので、それに合わせます。この時に、肩関節が自然に内転しきらない、また、内旋してしまうと、上記と同じように肩甲骨の下制を促すことが出来ません。そのため、内転可動域+軽度外旋可動域が必要になります。

 

 

 

 

この2つを加えることにより、肩甲骨の下制が促通され、結果的に軸足の安定性に繋がると考えられます。

 

 

 

これまで、6回にわたり“きちんと軸足で立つ”ことに焦点を当て、お話させて頂きました。感覚的な要素が多くありますが、少しでも臨床のヒントになれば幸いです。

 

 

 

次回は、early cocking phaseでの軸足股関節についてお話したいと思います。