今回は、“きちんと軸足で立つ条件~上肢機能~”についてお話させていただきます。

 

 

まずは、肩甲骨を下制出来るということ。

 

 

多くの選手は肩甲骨アライメントに乱れがあります。

その中で多いのは肩甲骨の挙上です。不良姿勢や動作の代償で

日常的に作られているものだと感じています。

 

 

この肩甲骨が挙上している状態は、肩甲骨の安定性は僧帽筋優位ということが考えられます。

肩甲骨を挙上したまま片脚立位をしてみるとわかりますが、どこか安定しません。

 

肩甲骨が挙上することで頭位が前方へ変位し、胸椎の伸展は阻害され、骨盤は後傾しやすくなりますが、それらを修正してみても安定性は増しません。

 

それはなぜか。自分の感覚としては、肩甲骨が挙上することで腹部インナーの働きが悪くなり、重心が高くなるイメージがあります。

肩甲骨の挙上に合わせて胸郭が挙上し腹圧がかかりにくくなり、また、頚部・肩甲骨周囲はstiffの状態ですので、腹圧がかかっていない状態で、より上方が固まっている。

このことが重心を高く感じさせるのだと思います。

 

この状態を回避するには、肩甲骨の下制が必要になります。

その機能を果たすのは前鋸筋下部線維だと考えています。

 

前鋸筋・菱形筋・肩甲挙筋は機能的に繋がりがありますが、個人的に菱形筋・肩甲挙筋の促通は難しく、代償を伴いやすく感じています。

前鋸筋下部線維を使える環境に身体を整え

エクササイズをすることで肩甲骨を下制出来るようになります。

 

 

この機能を獲得するには、骨盤・脊椎・胸郭はもちろんですが肩関節・肘関節・手関節・手指の状態がポイントになります。

うまく前鋸筋が働いてくると第4・5指の尺側でのグリップがしやすくなります。

このことからも、前鋸筋から手関節・手指まで機能的な繋がりがあると思います。

 

 

逆に、前鋸筋のエクササイズを行い、出力を上げても、上肢の状態が悪いと、前鋸筋は機能的に使いにくいか、もしくは、使えない状態になってしまうと思っています。

 

 

例えば、母指内転筋を収縮させて肩関節を屈曲するのと、第4・5指の骨間筋を収縮させて肩関節を挙上するのでは、肩甲骨の可動性に違いが出てきます。

 

実際にやってみると感覚として分かると思います。

前鋸筋の機能を保つには、手指まで含めた機能改善が大切だと感じています。

 

そもそも、前鋸筋下部線維が働いた肩甲骨の下制を獲得することで片脚立位に与える影響は何なのか。周知の通り、前鋸筋と腹斜筋には機能的な繋がりがあるため腹部は促通され安定します。そのほか、感覚的ですが肩甲骨が下制されることで体幹の伸展がカウンターで促通され、下肢の長軸方向への踏み込む感覚が生まれます。

 

 

坐位で肩甲骨をうまく下制出来れば、骨盤の前傾が促通されてくることからも、立位では腸腰筋の働きが促通されると思っています。

 

このことから、前鋸筋を使い、自然と肩甲骨を下制出来ることは、軸足の安定を促通する要素として重要だと思っています。自然と肩甲骨が下制出来ている状態、これが理想だと思います。

 

次回は、肩関節内転可動域の確保と、肩関節屈曲45°肘関節屈曲90°からの肩関節外旋可動域の確保が、軸足の安定にどうかかわってくるか解説していきたいと思います。