さて、これまで、主に脊柱の解剖や機能、運動についてお話してきましたが、これから、腰部疾患の病態や

評価、リハビリテーションなどについて簡潔に整理していきたいと思います。

 

まずは、腰椎椎間板ヘルニアについてお話させていただきます。

 

腰部椎間板ヘルニアは、椎間板の髓核や線維輪が膨隆、脱出することにより、神経根や馬尾神経を圧迫し、腰・下肢痛を引き起こします。加齢に伴うものから、スポーツなどの力学的負荷がきっかけとなる症例が

少なくありません。

 

自覚症状の特徴的なものとして、下肢に放散する痛み、感覚障害、筋力低下、深部腱反射の消失などの神経

根障害が認められます。多くは片側の症状であるが、大きな正中ヘルニアでは、両下肢の高度な感覚・運動

障害、そして排尿障害が生じることがあります。

 

他覚的な所見として、

かばうように手を腰に当てたり上体をかがめ膝を曲げたりして歩く疼痛性跛行

疼痛回避性の脊柱側弯

SLRテスト大腿神経伸張テストなどの神経根緊張徴候

障害神経根に対応した深部反射の低下・消失、感覚障害、筋力低下を伴う神経脱落所見

などが見受けられます。

 

 

 

また、画像所見はヘルニアを見つけ出す際の重要な手がかりとなります。

X線画像では、側面像でヘルニアの存在している椎間板腔が狭小化を呈していることが特徴であります。

MRIではヘルニアや椎間板変性に対するもっとも優れた画像所見です。

T1強調像はヘルニアの形態を捉えるのに適し、T2強調像は椎間板変性の程度を評価する際に適している

とされています。

他にも、脊髄造影椎間板造影などによる画像所見もあります。

 

治療としては、保存的治療、観血的治療があり、主に腰椎椎間板ヘルニアは保存的治療が第一選択となり、

運動療法、物理療法、薬物療法、ブロック療法、患者教育などが選択されます。

観血的治療は運動麻痺や膀胱直腸障害を認める場合や、保存的治療が奏功せず、3ヶ月以上症状が継続する

場合に適応となることがあります。

観血的治療は症例の10〜30%程度とされています。

 

 

次回は、腰椎椎間板ヘルニアを鑑別する整形外科テストなどについてお話ししていきたいと思います。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。