前回は基本姿勢の制限因子となる股関節の運動、大腿後面の筋についてお話させていただきました。

今回は股関節の前面の筋についてお話したいと思います。

 

股関節前面には腸腰筋があります。

腸骨内面の腸骨窩から小転子につく腸骨筋とTh12〜L5の椎体、椎間板、すべての腰椎の肋骨突起から

小転子につく大腰筋からなり、小転子に停止する手前で線維を交差し合うことから腸腰筋と呼ばれて

います。

 機能としては骨盤上の股関節屈曲、大腿骨上の骨盤の前傾、脊柱の生理的湾曲を維持しながらほぼ

垂直位で脊柱を安定させる垂直安定機能を持っています。

 

基本姿勢を取るとき、骨盤の前傾が重要になってきます。前回は、大臀筋などの後面筋の制限について

お話しました。その制限がある程度ない状態で、今度は腸腰筋がしっかり機能することが重要になります。

腸腰筋が機能していない人は骨盤の後傾が立位においてもみられると思います。腸腰筋がしっかり機能し、骨盤の前傾が行えないと、力を全身に伝えることができません。そのため非常に重要になってきます。

 

腸腰筋には垂直安定機能がありますので、姿勢を保つために腸腰筋は常に働いています。骨盤が後傾位

のまま働くと、起始と停止が離れ伸ばされた状態で働くことになり、姿勢を崩さないように筋を硬め、stiffnessな状態になります。このような状態が続くことで腸腰筋は機能低下を起こしてしまいます。

 

Stiffnessな状態をしっかりと機能させるには、しっかりと伸ばすことが重要になると思います。後傾して、筋が伸長されていても、硬めているので、伸ばしていきます。

筋をしっかり伸ばしたら、今度は、筋を機能させていきます。方法としては、臥位、座位、立位などで

骨盤の前傾、股関節屈曲を行うことが考えられます。

 

反復した運動で筋を再機能させることが重要で、簡単な運動でしっかりと行えるようなったら、

スクワットなどで、骨盤の前傾を意識しながら、スポーツ動作に繋げていくことがポイントです。

骨盤後傾により、背筋群には過剰にストレスがかかり、腰痛の原因にもなりかねます。

話は少しズレてしまいますが、腸腰筋がstiffnessで、骨盤が後傾していると拮抗筋にあたるハムスト

リングスがtightnessになります。ですので、ハムストリングスもしっかり使い、動かしていかなければ

なりません。RIOSセミナーで方法などについても紹介しているので、興味がある方はぜひ受講してみて

ください。

 

私たちは、日常生活から楽をしたがるので、椅子に座るときなど、骨盤後傾での姿勢が多いと思います。そういったところから腸腰筋の機能不全は頻繁におこると思います。選手や患者さんに指導する際や、

自分自身でも姿勢に注意することや、後傾しているなと感じたら、骨盤を前傾する運動を行ってもらうといいと思います。

 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。