前回は、足底腱膜の疼痛における力学的ストレスについてお話させていただきました。圧迫・伸張の負荷があり、疼痛部位・疼痛動作を明確に捉え、評価を進めていくことが重要であることをお伝えさせていただきました。

今回は、前回の内容を踏まえた上で、足底腱膜炎のアプローチについてお話しさせていただきます。

足底腱膜炎のアプローチの目的として、
①患部の炎症を改善すること。
②足部の可動性・柔軟性を拡大すること。
③足部アーチ機能を高めること。
が、挙げられます。さらに、補助的に、インソールやテーピングを行い負荷を軽減させる方法もあるかと思います。

―炎症の改善―
疼痛の改善を図る上で、炎症のある場合には、第一に炎症の改善を進める必要があります。部位としては、足底腱膜付着部の炎症では踵部付近に、足底腱膜自体の炎症では足底中央の部分に疼痛があることが多いです。
急性期では局所の安静が重要であり、免荷による安静や疼痛を誘発するジャンプ動作等の運動の制限を行います。

―可動性・柔軟性の拡大―
足底腱膜にかかる伸張負荷を軽減するため、足底腱膜の柔軟性を高める必要があります。
足底腱膜は、下腿筋膜との筋膜の続きとなっており、歩行時に足底腱膜に加わる張力と、アキレス腱に加わる張力は相関するとされています。
すなわち、アキレス腱が固くなることで、アキレス腱付着部である踵骨は上方に牽引され、足底腱膜の踵骨付着部は近位に移動するので、足底腱膜はより伸張されることになります。
そのため、足底腱膜のストレッチに加え、アキレス腱、下腿三頭筋のストレッチが有効であり、背屈可動域を拡大させることが重要であると考えられます。

―足部アーチ機能の向上―
足底腱膜は、筋膜が厚く肥厚した組織ですが、機能的には足部アーチ構造を維持する靭帯装置としての役割が重要です。足部アーチの破綻した扁平足にみられる後足部の回内は足底腱膜の負荷を増加させます。
そのため、アーチ維持に関わる機能の改善は重要であると考えています。
足底腱膜は短趾屈筋等の内在筋群を覆う腱膜であり、短趾屈筋以外にも母趾外転筋や小趾外転筋の機能がアーチ機能を向上させるために必要となります。

私が実際に実践しているのは、座位や立位で足底を接地した姿勢から、足趾開排・伸展し、同時に踵を挙上することでアーチ機能の改善を図っています。代償運動に注意し、段階的に負荷を上げていきます。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。