今回は、股関節機能の可動性評価についてお話しさせていただきます。
 

前回のメルマガでもお話ししたように、ランジ動作などで不安定を呈する選手の評価としては、外側サイド中間位保持などで姿勢を変え、下肢の出力の有無を確認することができます。

 
 

今回はさらに股関節機能の評価を可動域の視点から進めていきたいと思います。

自由度の高い股関節で出力の低下や痛みを呈する場合、各方向への可動域制限とその制限因子を評価し、その制限因子によって機能不全を呈することは臨床上よくみられます。

 

寛骨臼に対して大腿骨頭が真に軸回旋する運動を考えると、伸展・外転・内旋位は関節周囲靭帯の全体的な緊張が最も強まるとされています。

 

適合曲面を基準とすると、その肢位から外れる肢位では寛骨臼と大腿骨頸部との間でのインピンジメントが生じやすく、動作場面を考えていくと、股関節屈曲位か伸展位かでその制限因子を見極めることも必要となってきます。

 

 
前方インピンジメントは、寛骨臼の前上方部で、股関節屈曲・内転・内旋位でインピンジメントが生じます。

股関節外後方の組織である、大腿筋膜張筋や大殿筋、深層の外旋筋の柔軟性や滑走不全があると大転子は上前方への動きが困難となり股関節前面でのインピンジメントが起こります。

選手では、運動負荷の高いランニングや傾斜、不整地などでの過負荷となるトレーニングによって、股関節外後方の硬さが生じやすいことを経験します。

選手によって荷重位で力が入りやすい肢位があり、繰り返しのストレスによって柔軟性が低下することはよくみられます。

 

 
また、逆に股関節内側の組織である、大腰筋、腸骨筋の柔軟性や滑走不全があると骨頭が下後方への動きが制限され同様に股関節前面のインピンジメントの症状がみられます。

大腰筋は、Th12腰椎を起始とするため柔軟性や滑走不全があると胸椎、腰椎の動きも制限が生じます。

動作場面を考えると、ランジなどの股関節屈曲位での動作で、骨盤の前傾・対側下制・対側前方回旋は、腰椎の伸展・同側側屈・対側回旋と関連し股関節の屈曲・内転・内旋方向でのストレスを増大させてしまいます。

 

そのため、動きの中で、アライメント異常が生じていないか、また反対方向への腰椎の屈曲・対側側屈・同側回旋への柔軟性が低下していないかをみること、また同時に骨盤の前傾・対側下制・対側前方回旋する要因の評価が必要となります。

 

 
股関節局所の動きの評価に加え、股関節局所へのストレス集中を避け、全身でストレス分散することを踏まえると胸椎・胸郭、腰椎の可動性と動きへの参加も評価していくことがやはり重要と考えられます。

 

次回は、後方インピンジメントについてお話しさせていただきます。

 

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。