前回は、みぞおちのラインで身体をたたんだ際のメリットをお話しし、大腰筋を使うことで一歩目を

素早く出すことができることをお話ししました。

 

今回は、トラップ動作を含む様々な動作時の安定に必要な大腰筋が使われるために必要な要素を

お話ししていきたいと思います。

 

 

おさえておく必要があることとして、大腰筋は抗重力筋であるということです。

つまり、足底からの感覚刺激床反力ベクトルが股関節付近を通ることで、

筋肉は自動的に賦活されるということです。

 

そのため、トラップの際の片脚立ちや、両脚立ちで大腰筋が使われるためには、トレーニングをする

際に、足底(特に踵部分)で床面を踏んでいる感覚をしっかり得ているのかということと、床反力

ベクトルがどの位置を通っているのかを見極めることが必要になってきます。

 

しかし、選手の中では、静的場面や動的場面を含め立位姿勢において前足部荷重となる場合が多く

みられます。

なぜなら、「しっかり立つ」=「大腿前面で踏ん張る」という考え方がやはり根強く、

大腿前面(主に大腿四頭筋)に過剰に力が入っていることで安定している感覚があるように考えている

からです。それが当たり前の動きになっている場合もあります。

 

本来、脛骨直下で立ち、股関節軸の中央、腰椎付近、胸椎前方の方向に床反力ベクトルが通ることで、

身体の深部にある大腰筋が賦活されたにも関わらず、大腰筋の出力の邪魔をしていることが問題と

なります。

 

この邪魔をしている所こそ、セラピストが現場や臨床で選手に関わる際に、選手の特徴を掴む上で

必ず見るべきポイントだと感じています。

本来の筋活動を阻害する問題としては、さらに深く考えていくことが必要となり、なぜ当たり前の

ように大腿前面の過活動にて止める動きをスタンダードとして動いているか、背景まで考えていく

必要があります。

 

診える現象をどう捉え、どう解釈していくことかという所が、

アプローチやトレーニングの提供以前に、一番重要なことではないかと考えています。

 

 

次回は、大腰筋を使うためのトレーニングをお話ししていきたいと思います。

 

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。