前回は後頭下筋群と眼球運動についてお話しました。

 

今回は後頭下筋群のアプローチ方法についてお話させて頂きます。

 

 

後頭下筋群(大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋)には筋紡錘の数がとても多く存在しています。

 

その中でも最も多い下頭斜筋には手の虫様筋にある筋紡錘の約15倍以上の数が存在すると言われています。

 

そのため、後頭下筋群は繊細な動きに対して感受性がとても高く、頭位の調整や眼球運動に反射的に関っています。

 

 

この後頭下筋群に対するアプローチとして筋紡錘に働きかけることが重要であると考えます。

 

 

まず、背臥位の状態で顎を引きベッドに軽く頭を押し付けます(チン・インという動き)。この動きにより上位頚椎は屈曲位となり後頭下筋群は伸張されていきます。

 

 

この状態から眼球を右に向けていきます。眼球を右へ向けることで右上頭斜筋、下頭斜筋の収縮が入るためこれらの筋の遠心性収縮となり筋紡錘に働きかけることができます。

 

左の上頭斜筋、下頭斜筋へアプローチする場合は眼球を左へ向けていきます。

 

 

同様にチン・インした状態から今度は眼球を上に向けていきます。眼球の上に向く動きにより大後頭直筋、小後頭直筋の収縮が入り、これらの筋の遠心性収縮を促すことができます。

 

                                                                                       

触診にて後頭下筋群の圧痛がある場合は頭部、上部頚椎が圧痛のある側へ回旋していることが多く、上記のエクササイズを繰り返すことで圧痛が改善し上部頚椎の可動域とともに下部頸椎の可動域も改善することを臨床上多く経験します。

 

 

例えば上部頸椎が右回旋位の場合、正面を保持するために下部頸椎の左回旋で代償することがあります。下部頸椎の左回旋にはcoupling motionにより左側屈が伴うため、右側屈に制限がみられます。

 

この場合、右上頭斜筋、下頭斜筋に対し先ほどのアプローチを行うことで頚部全体の可動域を改善することができます。

 

 

また、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋で形成される後頭下三角には椎骨動脈が露出している部分があるため、この部分への安易な徒手的介入にはリスクがあります。

 

 

自動運動を主体としたアプローチによりリスクが少なく、高齢者からスポーツ選手まで幅広く対応できるアプローチです。

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。