今回は、大腿部の筋損傷についてお話しさせていただきます。

 

大腿部の筋損傷の中でも、サッカー選手やラグビー選手など接触プレーが多いスポーツでは、直接外力による筋挫傷が多いとされています。その中でも大腿部の筋挫傷が多く、大腿四頭筋に発生頻度が多いされています。さらに、筋挫傷の再発率が多いことも有名です。

 

一般的な筋損傷の特徴としては、筋繊維自体が毛細血管に囲まれていることと、運動時の局所の血流が増加することが合わさり、筋損傷直後には内出血、機能不全、強い痛みがどんな損傷であっても起こるとされています。

 
 

◯出血の仕方による筋損傷の分類

・筋肉内出血(筋膜に損傷がない)

・筋肉間出血(血液が筋膜の損傷部位を通り筋コンパーメントから流出)

 この二つでは、筋肉内出血の方が筋肉間出血よりも治癒期間が長いとされています

 これらの見極めは、MRIやエコー所見ではっきりしてきます。

 

現場や臨床レベルでの筋挫傷の評価としては、損傷部位の陥凹皮下出血の有無を確認することが重要です。皮下出血は、損傷直後よりも数日後などにみえてくることが多くあります。

 
 

また、大腿部の筋挫傷の評価で一番重要になってくるのが可動域筋出力の評価です。皮下出血が筋コンパーメントに閉じ込められると、筋内圧が上昇するため大腿四頭筋の筋挫傷の場合には、膝関節の屈曲可動域が一番に低下します。さらに、MMTなどの評価姿勢でもある膝関節90°屈曲位からの伸展出力も顕著に低下し左右さを見極めることができます。

 

もちろん大腿四頭筋であれば、膝関節のみならず、股関節の伸展や下腿の回旋可動域、出力にも影響を与えるため、その影響がどこまであるのかを動作と交えて評価しておくことが必要です。

 
 

損傷直後は、皮下打撲であっても痛みを伴いますが、現場レベルでいち早く評価する場合には、その場で無理なくしゃがみ込むことができるか一歩踏み込んで踏ん張れるか軸足として支えられるかなど、機能評価で見極めることが必要になってきます。また、外傷の際に受けた力の大きさに基づいて判断することもあります。

 
 

それら一つでも動作が行えない場合は、直後に高負荷の運動をすることや試合復帰は難しいと考えられます

 
 

そこで無理をすることで、コンパーメント症候群や骨化性筋炎を引き起こす危険性を引き上げてしまうばかりではなく、肉離れやさらに他の部位の機能障害を引き起こし、結果的に選手にとっても、団体競技であればチームにとっても不利益になるため、よく状況を読んで判断することが求められます。

 

次回は、筋損傷の処置と治療についてお話ししていきます。

 

 

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。