今回は、大腿部の筋損傷〜応急処置〜についてお話しさせていただきます。

 

 

 

応急処置というとまず一番に考えるのが、RICE処置かと思います。

 

私自身も現場での応急処置でRICE処置を選択することが多くあり、その意味と方法・タイミングを見極めることが非常に重要と考えています。

 

簡単に復習として挙げると、以下のようになります。

 

Rest(安静)

 

Ice(冷却)

 

Compression(圧迫)

 

Elevation(挙上)

 

 

 

特にスポーツ現場で多く目にするものスタンダードなものとして、アイシングがあります。

 

多くの研究からアイシングと患部の圧迫を併用することで、皮膚表面温度、筋温は優位に低下することがわかっており、急性期の対応として可能な限りアイシングと圧迫を併用することが良いとされています。

 

 

 

しかし、アイシングはただ冷やせば良いというわけではありません

 

アイスパックなどで冷却する際の至適温度は1015 程度と言われており、この温度では反応性の血管拡張が起きないとされています。

 

時間としては、1020程度で、連続して行う場合でも1時間程度間隔をあけて行うことが望ましいとされています。長時間の冷却や間の間隔が少なく連続したアイシングでは、反応性の血管拡張や凍傷、神経損傷を起こすことが稀にみられるため、当たり前ですがただ冷やすのではなく、目的をしっかり持つことが最低限必要となります。

 

臨床や現場において、実際の皮膚温を測定することは難しいため選手の自覚症状を聞きながら、神経麻痺のリスクを考慮しながら進めていくことが必要です。

 

 

 

アイシングの作用としては、先ほどもあげたように身体組織温度の低下の他に、代謝の低下感覚受容器の閾値上昇刺激伝達遅延による中枢への感覚インパスルス減少筋紡錘活動の低下などが挙げられます。

 

 

 

前回のメルマガで筋挫傷によって筋肉内、筋肉間で皮下出血を起こすことをお伝えしましたが、アイシングにより、組織温度を低下させることで血管拡張や血管透過性の亢進が軽減され、腫脹を抑制することができます。

 

また、可動域制限やコンパーメント症候群、骨化性筋炎へ移行する危険性があるため、大腿部の筋損傷の場合には、膝関節最大屈曲位で圧迫しアイシングをすることでコンパーメント圧が上昇し筋肉への血流が制限されるため、筋肉内もしくは筋肉間への血流の流出を最低限にすることができ、回復が早まる傾向があることを臨床上経験しております。

 

 

 

さらに、神経伝導速度が低下し、疼痛閾値が上昇することで疼痛が軽減するとも言われています。

 

 

 

疼痛や腫脹による影響を受け、容易に可動域制限が起きることから早期の対処により可能な限り制限をきたさないよう配慮が必要です

 

 

 

それでも、多くは筋肉の回復過程において可動域制限を呈すことがあるため、筋肉と筋肉の滑走性、回復に合わせて筋肉の伸張性を出していくことが必要となります。

 

 

 

そのポイントは次回お話ししていきたいと思います。

 

 

 

筋挫傷のみならず、靱帯損傷や肉離れなどでも同様に、受傷直後の応急処置の方法一つで、復帰までにかかる期間が大きく変わるため、現場にいるトレーナーはもちろんのこと、選手自身もそれを自覚して対応できるように日頃からの選手教育いう視点も必要不可欠な要素と考えています。

 

 

 

 

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。