前回は、感覚と動作の安定性について発信させて頂きました。臨床においても現場においても力が入っている感覚と動作の整合性がしっかり取れているかどうかは、パフォーマンスや怪我のリスクを見る上でも非常に大切なキーワードになるかと思います。

 
 

今回は、前回とは逆の不安定性について発信していきたいと思います。

 

まず、不安定の定義としては、前回と真逆の「安定しないこと、状態が一定でないこと」とされています。(今回は運動器不安定症とは別の意味で捉えます。)

 
 

また、足関節などに多く用いられる定義として、機械的不安定性(Mechanical Instability)と機能的不安定性(Functional Instability)というものがあります。

(これらはRIOSの外傷セミナーでより詳しく学ぶことができます。)

 
 

機械的不安定性は、解剖学的(構造的)異常が伴うため、靭帯や骨の問題を抱えており、関節運動パターンの変化により、関節周囲の筋肉や腱、関節包、滑膜組織などの負担となりえます。

 
 

機能的不安定性には、必ずしも解剖学的異常が伴わず、靭帯や筋肉、腱にある機械的受容器の損傷、自己による受容反射(反応)の一部が不足することで、反応速度の低下やバランス能力の低下を招くものとされています。

 

 

臨床場面では、画像所見やエコーなどを用いた動作時の動き、徒手検査にて機械的不安定性の有無を確認することができます。

現場では、

 正確な評価が求められる+練習や試合にすぐ戻れるかどうかの判断も必要となります。

そのため、評価のできる材料を自分の引き出しとして持っておくことが必須となるかと思います。

 

 

足関節のみならず、不安定性を呈することで起こるのが代償動作パターンです。

 
 

不安定性が生じることにより、選手は感覚的に不安感や違和感を覚え、それでも練習や試合でパフォーマンスを求められるため、何らかの代償により制御しようとします。

この代償動作が続くと正常な機能であった部分が酷使されることとなるため、可動域制限や痛みにつながります。

 

可動域制限の要因の一つとして、不安定性や生理学的範囲を超えた可動性を安定するためや運動パターンの変化に伴い、活動量の増加により不均衡さが生じた筋性制限があります。

 
 

この可動域制限となる筋肉をただ緩めたり、ほぐしたりするだけでは全ての問題が解決するわけではありません

 
 

しかし、主動作筋−拮抗筋の不均衡、筋、筋膜の滑走不全、筋性の循環不全などの問題が生じていることで、可動域や運動制限になりうるためアプローチの対象なります。

 

代償的に安定を作り、筋性の可動域制限を作っている部分ですのでそれが取り除かれることで新たな代償を作り出しかねません。

 
 

そこで重要になるのが、

「不安定性を補う=安定を作るためのトレーニング、感覚トレーニング」になります。

 
 

根本の問題を解決しなければまた新たな問題を作ってしまうため、現象として見える動きはもちろんのこと、なぜその現象が生じているのかを評価し、推論立ててケアやトレーニングを提供することが必要だと考えます

 
 

言われてみれば、当たり前のことですが「なぜ?」を考えること、そして推論立ててアプローチ、再評価の繰り返しが現場においても臨床においても重要なことだと感じます。

 

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。