『サッカーのトラップの際のバランス要素について』

 

  

今回は、サッカーのトラップの際のバランスに焦点を当て、片脚立位が安定してとれるために必要な要素と

そこから次の動作に移行するために必要な要素をお話ししていきたいと思います。

 

  

ボールを止める際に必要な片脚立位が安定してとれ、次の動作に移行するためには、

①   脛骨荷重で立てること

②   支持脚側の骨盤が前傾位を保つことができること

③   向かってくるボールに合わせて、身体の前方(側方)への推進力を制限することができること

④   体幹—上半身がフリーになることができること

 

 

 

これらの要素が必要になってくると私は考えています。

 

では、これらの要素を具体的に解説していきたいと思います。

 

①脛骨荷重で立てること

 

 まず片脚立位で立つ前提として、支持脚が脛骨に荷重できるかどうかが

非常に重要であると考えています。

サッカーの動きは前方、側方、後方と360°動けることが必要であり

様々な切り返しの動きが必要となります。人体の構造上、腓骨は荷重する骨ではなく

骨運動により関節の動きを作る骨であるため、腓骨荷重では支持する為に余計な筋活動を必要とし、

非常に下肢の特に外側に負担がかかります。

 

 

様々な切り返しがさらに俊敏に必要な動作で余計に力が入った状態からスタートすることと、

脛骨荷重で骨構造による支持が得られ、余計な筋活動が入ってない状態からスタートするのでは

大きな差があることは明白です。

 

 

 

②支持脚が骨盤前傾位を保つことができること

 

 トップアスリートの動きをみていると、骨盤をしっかり立てて

大腿部の後面にあるハムストリングスや殿筋の活動が印象的です。

骨盤が後傾位での動きでは、連鎖的に股関節は外旋し、下腿も外旋することで

先ほどの脛骨荷重が困難となります。また、本来支持脚の筋活動として必要な

大内転筋やハムストリングスの活動性が落ち、

結果的に大腿、下腿の外側の筋・筋膜の張力や足部の過回内

による代償が生まれ、怪我にも繋がりやすくなってしまいます。

 

 

 

③身体の前方(側方)への推進力を制限することができること

 

 少しランジ動作の動きにも関与しますが

ボールを受ける際に止まって受ける選手はほとんどいないと思います。

 

サッカーは105m×68mのコートを360°様々な方向に動き、その中で重心移動を制御し

ボールをコントロールすることが必要です。

 

もちろん、1方向に進む身体の動きに対して

ブレーキをかけるための大きな筋肉である大腿四頭筋の筋力も必要です。

 

ただこのブレーキで身体が止まってしまっては

再度動き出すことに時間を要し次の動作の遅れに繋がります。

 

そこでボールを止める動きでも出てきた重心を軽く浮かせ

支持脚の向きを変えることが求められます。

 

また、着地の瞬間の方向転換、重心移動に際して

拇趾球支持での踏ん張る力が必要になることも忘れる訳にはいきません。

 

④体幹—上半身がフリーになること

 

 ボールを止める際に、相手がそばにいて

相手を手で制止ながらボールコントロールする場面は数多くあります。

その際に、体幹−上半身が片脚立位のバランス活動に参加し

相手を静止することができなければあっという間にボールを奪われることになりかねません。

 

 

サッカーはコンタクトスポーツであるため、上半身がどれだけ使えるか

も非常に重要な要素となってきます。そのために、下半身と体幹の連動

上手くいっている必要があります。

 

具体例を挙げれば、内転筋やハムストリングとコアを形成する腸腰筋の連動が

上手くいっており、下半身が安定していることで上半身がフリーになることができます。

 

 

また、重心移動に際しても、上半身重心の移動は、重心移動の加速度に影響を与えるため

素早く動けるようバランスに関与するのではなく

動作に関与できるような環境にしておくことが重要です。

 

 

次回は、これらのように必要と考える動きと実際の場面での選手の動き方

について考えていきたいと思います。